MMD用の衣装を作ってみる5
今回は、着物の袖の物理演算についてです。
スカートと同じ要領でできるのではないかと、たかをくくってましたが、やってみると、なかなかうまくいきません。
ネットをぐぐっても、解説が見つからず、2、3日悩みました。
この方法が正しいかはよくわからない点もありますが、なんとかうまくいったので、例を記録しておきます。
少しでも、私と同じ初心者の方の参考になれば幸いです。

最初に今回作った振袖のobjを読み込みました。
今回も、わかりやすくテクスチャーを貼っています。
袖全体の頂点を選択して、あらかじめ保存しておいた元フィギュアのウェイトを読み込みました。
前回のスカートでは、これを行いませんでしたが、今回は肘が動くのでやってます。
で、曲面自動設定プラグインを使って物理演算する範囲の頂点を選択しました。
腕の少し下から選択しています。
該当範囲のウェイトは、メニューから初期化しておきます。
先ほどのウェイト読み込みでは、腰とか不要なウェイトも付与されています。
曲面自動設定プラグインが、自動的に初期化してくれるかどうか不明で、スカートの時にうまくいかなかったので、初期化しています。
ここで神プラグイン「曲面自動設定プラグイン」を起動します。(感謝)
PMXモデルを選択して、選択頂点・モデル取得をクリックして基本・詳細設定に入ります。
スカート接続は、主に稼働する右ひじにしました。
すでにウェイトをつけてあるので、接続ボーンのチェックはなし。
縦長の袖なので、横方向3、縦方向8とし、ヘッダーに名前をつけました。
詳細設定では、制御面は、「曲面を板状に開く」にします。
終われば、基本・詳細設定適用ボタンをクリックします。
制御点編集開始をクリックして、PmxViewの下のジョイントマークをクリックし、制御点を表示して編集します。
こんな感じで制御点を移動し、袖の形に合わせました。
うまく合わせておかないと、剛体やジョイント、ボーンに影響しますので、慎重に・・・・。
この辺は、トライ・アンド・エラーですね。
うまくできたら、制御点編集完了ボタンをクリックします。
今回も、パラメータ設定は、テンプレートの標準を選択し、パラメータ設定適用ボタンをクリックすれば、一応完了です。
袖に関連するボーンと剛体を表示してみました。
うまくできているようです。曲面自動設定プラグイン様様です。

動かしてみる前に、非衝突グループの設定を忘れずに・・・。

腕などの体がG2、袖がG10なので、G2と衝突あり、G10は、袖の剛体同士を非衝突とします。
PmxViewの右上「Tマーク「」を押して、TransformViewを表示して、腕を動かしてみました。
TransformViewの動マーク」を押して、「モード>リアルタイム更新」を使えば、物理演算を実行してみることができます。
矢印部分がおかしく膨らんでいます。
関連する剛体やジョイント、ボーン、ウェイトなどを表示すると、原因がわかりやすいです。
一番左のジョイントとボーン、剛体の位置が肘の動きに追随しすぎのようです。
そこで、まず、腕側のジョイントの接続を右腕の剛体に変更します。
PmxViewで確認しながらやるとよいです。
ちなみに、この変更作業中には、TransformViewでのリアルタイム更新は切っておきます。
次に、ボーンの接続も変更します。
ボーンには親子関係があるので、腕側のボーンの親を右腕に変更します。
こちらは、ボーンの番号入力で変更します。
TransformViewで動かしてみて、確認します。
ひじのおかしな形が直りましたが、全体的にプルプル震えていました。
この図を見ると、剛体が素直に垂直にぶらさがっていません。
ここあたりが、非常に難解で、理論的にうまく説明できませんが・・・。

最上段のジョイントの回転に制限がかかってるのを緩めてみました。
緩める範囲は、それこそトライ・アンド・エラーです。
とりあえずこんな感じ・・・。
TransformViewで確認してみると、2段目のジョイントのぷるぷるが収まりません。
ここも理論的によくわからないのですが、2段目のジョイントの回転制限を0にしました。
ジョイントって、緩すぎるても、硬すぎても震える・・・って、調整は本当に職人技・・・。
まあ、こういう方法もあるそうです。

TransformViewで、再確認したところ、うまくプルプルが収まりました。
剛体も素直にぶらさがってくれてます。
まあ、これとて、肘を大きく曲げると、やはりぷるぷる震えるのですが、このあたりは、程度問題なのかもしれません。
これで、とりあえずはうまく動くのですが、ここから長い調整が始まるのは、スカートの時と同じです。
物理演算は、奥が深くて難解ですが、こんな例もあるということで、初心者の方の参考になればいいなと思っています。
ネットで見ると、さらに物理で腕まくり!ができるらしく、機会があればチャレンジしてみようと思います。
長くなりましたが、今回はこれで終了です。
完成品の動画は、こちらです。
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